関西エリアでクリニック開業を検討される方!ドラッグストア「キリン堂」がサポートいたします。

開業リスクが減る!?オンライン診療活用の最新事情

株式会社キリン堂の落合と申します。
私がご担当させて頂く業務内容は、お医者様の新規クリニック開業サポート支援となっております。


開業相談の中で多くの医師から伺うのが、患者様に多くご利用いただけるかの不安です。
一般的な内科であれば1日40人の診察が損益分岐点となりますが、そこまでの人数になるのに2年ほどかかると言われています。


今回は、近年注目を集めるオンライン診療を活用した開業リスクの軽減方法をご紹介させていただきます。


目次
  1. ・クリニック経営の黒字化
  2. ・令和4年1月に改訂したオンライン診療
  3. ・活用法① オンライン診療のバイト
  4. ・活用法② オンライン診療専門クリニック
  5. まとめ

クリニック経営の黒字化

クリニックの黒字経営において最も重要なことは、損益分岐点の計算です。
平均的な内科クリニックでは、医業原価や人件費や家賃などの経費で、月に330万円ほどの支出になります。
ここに院長給与を加えれば必要な売上を計算することができますが、仮に150万円とすれば480万円が必要な売上です。
480万円/月の売上を出すためには、一般的な内科クリニックの場合、外来患者数の目安は40人弱/日(年300日稼働)が必要となります。


詳細は「赤字にならないクリニック開業物件の選び方」をご覧ください。


1日に40人の診療が必要という計算になりましたが、開業してから徐々に患者様が増えていくわけですが、毎日40人となるのに2年ほどかかると言われています。
つまり、最初の2年間は赤字経営となるということです。

もちろん、これを見越して2年間で黒字になるように財務計画を立てるのですが、精神的な負担は消して少なくありません。
患者が増えない毎日に「本当に2年で黒字化できるのか?」と不安になることもあると思います。
出費ばかり嵩む日々に「開業なんてするんじゃなかった」と後悔することもあると思います。

そんな負担を少しでも軽減する方法として、オンライン診療を活用する方法をご紹介させていただきます。


令和4年1月に改訂したオンライン診療

コロナウイルス感染症の流行により、一気に注目が高まったオンライン診療ですが、令和4年1月に法律が変わりました。
これにより、初診からオンライン診療が可能になるなど、大幅な規制緩和となりました。


詳細は「令和4年1月改訂 オンライン診療指針の改訂で何が変わった!?」(近日公開)をご覧ください。


法律以外の面でも、小学生から高齢者までオンライン通話が一般化したことで、オンライン診療のハードルは大きく下がりました。
実際、オンライン診療の市場規模は2019年に200億円だったところから、2021年には460億円と倍以上となっています。
また、2035年には1000億円近くまで拡大する見込みであり、そのポテンシャルはまだまだ底をつきません。

活用法① オンライン診療のバイト

このように普及が進むオンライン診療ですが、開業を検討される医師にも大きな影響があります。
その一つが、オンライン診療のバイトです。


現在は自由診療が多いですが、オンライン診療のバイト募集は求人サイトでも多く見つけることができます。
時給は1万円ほどですが、時間帯区切りで働くことができ、オンラインのため出勤の必要がありません。
これを開業間もないときに活用する事例が増えています。


具体的には、クリニックの診療時間帯を絞って、オンライン診療に当てます。
例えば、火・木曜日をオンライン診療の日にすれば、月80万円の収入を確保することができます。


「なるべく開いていないと患者が集まらないのでは」と不安になるかもしれませんが、毎日空いていないと困る患者さんは実際にはかなり珍しいでしょう。
そのため、クリニックの患者数が増えるまでは曜日を固め、開いている時間帯は枠がいっぱいになるまで拡大を控えることで効率的に経営を行うことも十分に検討余地があります。

活用法② オンライン診療専門クリニック

もう一つは、そもそもオンライン診療専門クリニックとして開業することです。
オンライン診療は自由診療がメインですが、保険診療の専門クリニックも存在します。
2022年時点では数は少ないですが、オンライン専門の保険診療を行うクリニックは日々増えてきています。


オンライン診療専門クリニックの一番のメリットは、初期費用を大幅に抑えられることです。
自治体にもよりますが、オンライン診療専門クリニックは大きな設備を持たずに開業をすることができます。
マンションの1室のような広さで開業すれば、家賃は月に10万円以下でも開業が可能です。
普通に開業すれば月数十万円の家賃がかかることを考えれば、これは大きな魅力です。


一方で、オンライン診療は診療点数が低いということが大きなデメリットです。
そのため、経費を抑えられても、売上も伸びにくい傾向があります。


これの解決策としては、いかに効率的に診療を行うかという、オペレーションの改善が考えられます。
一人一人の患者さんと向き合うために開業される医師が多いと思いますので、効率を求めることは方針に合わないかもしれません。
ただ、これを選択肢の1つとして知っておくことは、今後の医院経営では重要だと思いますので、ご紹介させていただきました。

まとめ

クリニックは地域医療にとっては不可欠で非常に重要な存在です。
優れた腕の医師にクリニックを開業いただけることは、非常に社会的に価値のあることだと考えています。


しかし、開業にはリスクを伴うため、踏み切ることが難しいことも事実です。
その様な中でも、ITによる日々の技術革新は様々な可能性を生み出しています。


今回は、オンライン診療という新しい手段を味方につけて活用する方法を紹介させていただきました。
この情報が、少しでも開業を決断する一助となれば嬉しく思います。